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#169 TOYOTA・ストラップ・ラジオ

前項でご紹介の Jaguar ラジオから一転、これはまさに今様の TOYOTA 自動車を象徴するかのような、ハイテク・ラジオだ。両者の違いはちょうど、エンジンの吸気と燃料との混合比率やスパーク・プラブの点火タイミングなどを、経験と職人技で維持していた古(いにしえ)の技術と、あらゆる変数要素を採取し、コンピュータで最適制御しようとする現代の設計技術の格差とパラレルだ。

実際、このラジオはわずか6cm×4cmの超小型にして、マイクロチップを搭載、VRとチューニング機構にもコンピュータを作動させている。そこまでしなくても、ラジオの基本機能を作動させることはできるのに・・・などと思ってしまう館長は、やはり時代に取り残された「アナログ・アナクロ人間」なのだろうか?

考えてみれば、この事は自動車に限らず、いまのあらゆる家電製品や通信機器にも同じことが言える。ときにはオーバー・スペックという見方が示されることはあっても、基本的に我々現代人は、新技術の恩恵にあずかり、黙ってそれを享受するように運命付けられている。

・・・と、悟ったようなことを書いてはみたが、このラジオの味気無さが気になってしかたないのも事実だ。また、このラジオを「B級ラジオ」と呼んでよいのかどうかという本質的な問題にも突き当たる。仮にB級仲間に引き込んだにせよ、接頭語に「愛しの」をつけて呼べるかどうかは非常にビミョーである。

ボディーの上部には、ことさら表現する必要もない C-MOS の文字が印字されている。また、STRAP RADIO という名称も、用途のコンセプトをとってつけただけのような気がする。かすかにB級の香りがするのは、そんなところにしかない・・・そのあたりがチト寂しいのね。

【仕様】
FM Stereo
単5電池 1本
出生地 中国

内部には基板が2枚あり、スペーサーによって2階建て構造となっている。上面の基板中央にあるICが、機能コントロール用のマイコンチップなのか、はたまたカスタムのラジオ用ICなのかすらわからない。1階部分を覗けば究明できそうだが、上階基板をうまく引っぺがすことができず、ブラック・ボックスとして再び封をしてしまった。

電源として単5電池一本を用いているラジオも珍しいが、回路全部を1.5V以下で動作させることは難しいだろうから、おそらく内部で電圧ポンプアップ回路を持っているのであろう。

このラジオの最大の特徴はFMの Stereo 受信が可能なところだ。オーディオ用のヘッドフォンで聴いてみると、ややざらついた感じや位相のズレなどが気にはなるが、ラジオとしてはかなり上等の部類に入る。

VRのアップダウンは連続変化ではなく、細かく段階的に動作し、押す度にピッ、ピッと電子音が入る。
チューニングも、ワンクリックで所定の周波数が上下するPLLっぽい動作をする。長押しをすると、中央のLEDが点滅し、スキャン動作を開始する。点滅スピードは2段階あり、スキャンスピードが異なるような気がする。連続スキャン動作は、バンド・エッジで止まるタイプではなく、何度でもバンド内を循環する設計である。

トータルに見て、さすが世界のTOYOTAが作らせたラジオ!・・・という印象だ。
また、「やればできるじゃない!」と肩をたたいてあげたい中華ラジオの逸品ではある。(まあ、人工衛星を飛ばす技術もある国の製品なのだから、これぐらいはねぇ・・・・)



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