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VHF-FM ゲルマラジオの実験 #5

第5話・・・「DX記録に挑む」

基礎実験が終わり、何とかFMゲルマラジオに対する感覚も掴めてきたので、もう一度、最初に成功した姫路市の送信所を相手に、どこまで受信距離が伸ばせるのか挑戦することにする。

《まずはE地点へ移動》
距離にしておよそ6km地点。海抜が送信アンテナ地点より少し低いが、かなりの高台なので、平野部を挟んで目の前に送信アンテナが拝める。

ビームが逆方向なので確かに電界強度は十分でないが、放送内容がよくわかる程度でM4の判定。
次に東隣のF地点=高砂市日笠山へ移動。送信所からはおよそ9kmの距離になる。さすがに送信所がずいぶん遠くに見える。(赤丸地点)

ここまで来るともうイヤフォンですぐに選曲できるようなレベルを超えてしまう。まずはAFアンプを通して、とりあえず電波が来ていることを確認、一番よく聞こえる場所を探し、アンテナの向き、チューニングダイヤルを調整する。ここぞと思うポイントでイヤフォンにチェンジする。

それで何とか聞こえたポイントを今回の受信レコードとしておこう。アナウンサーが言っている内容がかろうじてわかるレベルなので、M3は少し甘い採点かもしれない。


 


VHF-FM ゲルマラジオの実験 #4

第4話・・・「ベリカードをもらう」

ここまで実験が進んでくると、今度は何か公的な受信証明のようなものが欲しくなってくる。これまた何十年も前の趣味を思い出して、放送局にレポートを送り、ベリカード(受信証明証)を貰うことにした。

ただ・・・FMゲルマラジオで受信したことをどうやってベリカードに表現してもらうか・・・また、はたして担当者がその意味を理解してくれるのかどうか・・・。

とりあえず、受信機の写真を添え、実験内容を簡単にまとめたものをつけて、放送局に送ってみた。



まずはKiss FM Kobeから・・・。

右写真に示す通り、担当者の手書きにて「特記」をしていただくことにした。

これで証明になるのかどうか分からないところがチト辛いが、筆跡鑑定まで要求されるような重大な書類でもないので、私的にはこれで十分満足した。
今度は「FMみっきぃ」さんからベリカードが届く。実験当日覗きこんだスタジオのガラス窓がデザインされている。

受信レポートを送ってから、少し日数が経っていたが、査問会議にでもかかっていたのだろうか?(笑)


こちらも指定していた通りの「特記」を書いて貰えた。

こんな調子で、日本中のFMラジオ局からゲルマラジオ受信の特記付きカードを集めるという趣味があっても良いように思えるが如何だろうか?

ゲルマラジオ受信の場合は現地へ出向かなければ聴けないから、観光旅行と兼ねて日本中の放送局に立ち寄る旅も、ひょとしたら楽しいかもしれない。

第5話に続く・・・

VHF-FM ゲルマラジオの実験 #3

第3話・・・「ローパワー・コミュニティFM局を攻める」
 
姫路市での実験結果に気をよくして、今度は、近くのコミュニティFMを攻めることにする。出力20Wと前回の1/50のパワーなので苦戦が予想される。
車を飛ばしてやってきたのはお隣町の三木市。同市の市役所内にスタジオから送信設備までをすべて擁する「FMみっきぃ」76.1MHzだ。

左写真は1Fのスタジオ。綺麗なおネエさんがDJをやっていたが、目もくれずに(ウソです)アンテナを探す。

市役所の屋上を見上げると、いろんなアンテナが林立しているが、波長からそれらしいアンテナに見当をつける。垂直ダイポールが2段スタックにしてある。もし、電波が垂直偏波であれば、まずこれに間違いない。

市役所は小高い丘の上にあり、またこの市役所ビルも相当の階数がある。コミュニティFM局としては、これ以上最適なロケーションはなかっただろう。サービスエリアは広く、我住む町にも電波は届いている。
今回は先にメリット報告をしておこう。
A : 市役所の駐車場を挟んで反対側にある丘。アンテナを正面にして距離は150mほど。もちろんM5。

B : 300mの距離で信号はかなり弱くなりM4。

C : 丘を降りて市街地へ入った300m地点。M3程度。

D : 500m地点ではもうほとんど聴こえない。
1号機を市役所の駐車場にセットして、水平偏波で聴いてみる。今回は三脚も持参。受信機ケースに台座をセットしておいて正解だ。

聴こえには聴こえるがかなり弱く、M2程度。
同じ場所で2号機。
受信性能が1号機に負ける分だけ、さらに音量が小さく、信号が確認できる程度だ。

アンテナからの距離はおよそ100mぐらいだろう。
こんどは垂直偏頗にしてみる。メリットが確実に上がる。やはり見当をつけた送信アンテナは正解だったようだ。

持参したAFアンプをつないでみる。普通のFMラジオと同じように放送を楽しむことができた。

市役所を訪れた方が、いぶかしげにこちらを見る。中には何をやっているのか?と話しかけてくる方もいる・・・説明に窮する。


2号機を垂直偏波で実験。

さすがに20Wのパワーはこんなものか・・・と妙に納得する。電波の強さは、人間の感覚からすれば対数的に認知されるので、1/50のパワー感覚ではもちろんないのだが、セラミックイヤフォンを駆動する馬力のぎりぎりラインのような感じがした。
実際、市役所の敷地を超えるとメリットは急落し、近辺を走りまわる必要性もなくなった。
帰り道、市役所が遠望できる見晴らしの良い場所に車を止め、ダメ元で受信を試みる。(距離にして3.3km)

もちろんイヤフォンからは何の音も聞こえないが、アンプをつなぐとかろうじて信号を検知することはできた。何か言っているなと感じられるM1のレベルであった。



第4話に続く・・・


VHF-FM ゲルマラジオの実験 #2

第2話・・・「さっそくフィールドへ」 

思いたったら、すぐにやらなきゃ気がすまないのがアタシの性格だ。アンテナの接着部分がまだ固まってもいないというのに、クルマを飛ばしてお隣の姫路市まで遠征する。
ここには、かつてアマチュア無線の移動運用でよくお世話になった「仁寿山」という小高い山があり、頂上付近にはNHKや民間放送の、FMとUHF-TVの送信施設がある。

ところが登山道路の入り口まで辿り着いた時、道が封鎖され、登れないことがわかった。
しぶしぶ、山を見上げる場所に車を止め、ダメ元でイヤフォンを耳に入れてみた。なんと音が出てるじゃないの!!
送信所の足元まで行かなきゃ絶対に聴こえないだろうという予想に、嬉しい裏切りが起きて、一気に700mの受信記録が出た。(下記マップA地点)

ダイポールの向きをきちんと送信所に向けると、より明瞭に受信できるようになった。聴こえるのは、Kiss FM Kobe の電波だ。サテライトなのに1KWのパワーを出している。
電波は水平偏波のようだ。アンテナを縦にすると、音声はほとんど聴こえなくなる。

無線趣味も結構長らくやっているが、偏波面のことをこんなに明確に意識させられたのは初めてかもしれない。
上記撮影箇所は、実はアンテナ指向性の背面にあたる。山の向こう側が姫路市の市街地であり、電波はもっぱら反対方向に飛んでいるのだ。

受信地点を、ビーム方向へと移動してB地点(下記マップ参照:送信所から約1.5km)で受信してみる。

最初のポイントより、遥かに送信施設から離れているのに、音はガンガン出ている。
簡易地図を使って受信成績をまとめておこう。

A : 最初に車を止めた場所。ラフなチューニングでメリット4

B : ビーム方向、川の土手上。メリット5・・・完全に放送内容が楽しめる音量

C : さらに川の西岸へ。距離にして2kmはあるが、同じくメリット5

D :  帰り道にバイパス乗り口でチェック、メリット3で何を言っているのかわかる程度。
今回各所で検波出力電圧も測定していたが、右写真はB地点における電圧。なんと3V近い値が出ている。

この距離にてこの電圧ということは、送信アンテナの真下で受信実験していたら、ダイオードが焼けていたのではないか?・・・とすら思われた。

第3話へ続く・・・



VHF-FM ゲルマラジオの実験 #1

第1話・・・「とりあえず作ってみた」 

AMラジオの原点が鉱石(ゲルマダイオード)ラジオなら、FMラジオだって同じようなものが出来るのではないか・・・とずっと考えてきた。
AMとFMでは検波の原理も違う。しかしその昔、アマチュア無線の50MHz受信機で、「スロープ検波」と呼ばれる方法でFM変調の受信をしていたことを思い出し、とりあえずVHFのFM放送帯の同調回路に、ダイオードをくっつけたものをでっち上げた。

同調回路のLC定数は適当だ。簡単な計算で求まるけれど、計算値通りの部品がすぐに用意できるわけでもないので・・・。
とりあえず、中波用の単連バリコンのローターの羽を二枚残してすべて抜き去った。Max40pFぐらいのつもりだ。コイルは1φの銅線を5.5tとした。FM放送帯は大体カバーできているようにも思えるが、ハイエンドの方はかなり怪しい。バリコンが中波用なので浮遊容量が大きいのだろう。

さて、このラジオは、「まず聴こえない」を前提にして作っているのだが、それでもイヤフォンと数mのアンテナ線をつないで聴いてみる・・・もちろん奇跡など起きやしない。

傍に変調をかけたFMワイヤレスマイクを置いてやると、おーー聴こえる!(こんなことでも結構感動できるものだ!)

何とかFM電波を復調できることはわかったので、さっそくケースに収めてやる。
このテの超低感度ラジオはアンテナが決め手だ。最初からケースにダイポールアンテナを組み込んでしまい、直に本体と結合させる。

1号機は、ただ単に中波用ゲルマラジオの同調周波数をVHF帯へスライドさせただけのものだ。「スロープ検波」も名称は立派だが、FMラジオとはとても呼べない。

それでさっそく2号機を作ってみた。こちらはレシオ検波(のつもり)だ。位相コイルの値がわからなかったのでとりあえず適当に手巻してみた。

回路もやや複雑になり、タイトバリコンも奮発して、立派な音が出そうな予感はしたが、残念ながら消え入りそうな音量しか得られなかった。
早くフィールド実験がしたくて、レシオ検波回路基板はいったん外し、再びスロープ検波に戻した。
これでは1号機とまったく同じものになるので、検波回路を倍電圧にして、ケースに収めることにした。

理由はよくわからないが、手抜きの1号機の方が、倍電圧検波の2号機よりも感度が高い。
2号機ケースを上面から見たところ。

イヤフォン端子が二つ見えるのは、検波電圧の測定用のジャックだ。もちろん両耳イヤフォンとして利用してもよい・・・。

第2話へ続く・・・
 
(「VHF-FMゲルマラジオラジオの実験」#1〜#5は、2006年4月にMixi内「鉱石ラジオ」コミュニティに発表した記事のリライト版です。)


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